誰彼通信 no.5 [2009/09/01]

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                             2009年9月1日発行
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 誰彼通信 [www.taso.jp]                        no.5
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前略

選挙に台風に、なんだか引き際で大急ぎに去って行ったような夏休み、皆様いか
がお過ごしでしょうか。誰彼通信5号目をお届けします。誰そ彼の遠藤です。

列島大忙しの最中、誰そ彼スタッフはお寺を磨いておりました。「おみがき」と
いう言葉、ご存知でしょうか?お寺の檀家さんや、仏教青年会が、お寺への感謝
の気持ちを込めて仏具を磨いたり、お掃除をする行事です。
我々誰そ彼スタッフは光明寺の仏教青年会会員でもありますので、「おみがき」
をして日頃お世話になりっぱなしの光明寺にお礼をしたいと思ったのです。
和ろうそくによる天井の煤をはらって真っ黒けになったり、東京ではちょっとび
っくりするくらいの大きさの蜘蛛が現れたり、プチハプニングもありつつ夏休み
最後の日曜日を有意義に過ごすことができました。

そんな感じで少しお休みモードだった誰そ彼ですが、そろそろ動き出していこう
と思っております。
今後も是非とも多くの方々にお付き合い頂けると嬉しいです。

                                草々


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 〓〓〓 I N D E X 〓〓〓

 ▽ 速報:誰そ彼 Vol.15 開催決定!!

 ▽ 速報:誰そ彼×Naturally Gushing presents『音泉温楽』開催決定!!

 ▽ ヒガン・えとせと・レビュー

 ▽ 築地本願寺ライブ『他力本願でいこう!2009』レポート

 ▽ 午前3時の泥酔仏教放談 第5回:色即ぜねれいしょん

 ▽ 南無南無なあに

 ▽ ただ、歩くだけ ~徒歩連載~ (4) 六本木-代々木 木の間のヨーロッパ

 ▽ タソガレ往来紳士録 NO.005『 幽霊(ゆうれい) 』

 ▽ サウンドブック 第3回目:ケーブルについて

 ▽ たそがれポスト

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 ■ 速報:誰そ彼 Vol.15 開催決定!!
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急転直下に舞い落ちる秋の日ぐれ、その束の間の美しいたそがれ時に
『お寺の音楽会 誰そ彼 VoL.15』を開催致します。

今回お招きするのは、オーストラリアからやって来る二組 The Rational Academ
yと、Do The Robot。更に日本からは、約10年ぶりにライブ活動を再開された
Rocket or Chiritoriさんにご出演頂きます。

この3者、なんとなく共通しているのは懐かしい日の記憶をくすぐるようなメロ
ディーと歌ごころ。誰の心にもスッと差し込んでくるようで、正に秋の西日のよ
う。それを取り巻くギターサウンドも暖かさに冷気が絡んでくる澄んだあの感じ

住む場所は遠くても、きっと同じ空気を吸っていたとしか思えない皆さんで和気
あいあいと集まって、まるで同窓会のような雰囲気となるのではないかと思って
おります。

是非とも、myspaceで彼らの曲を聴いて、多くの皆さんに御来場頂きたいです。

日時:2009年10月3日(土)17:00~21:00
場所:梅上山 光明寺(東京 神谷町)
   http://www.komyoji.org/
料金:1500yen with 1drink
出演:
[Live]
 ・The Rational Academy (from Australia)
  http://www.myspace.com/therationalacademy

 ・Do The Robot (from Australia)
  http://www.myspace.com/idorobots

 ・Rocket or Chiritori
  http://www.myspace.com/rocketorchiritori

[法話]
 ・話者未定
[選曲]
 ・busse posse DJ's

[Drink]
・神谷町オープンテラス
 http://www.komyo.net/kot/
[Food]
・料理僧 KAKU (from 暗闇ごはん)
 http://www.higan.net

[チラシ絵]
・風眠庵
 http://foomin.net/

more info.
 http://www.taso.jp

どうぞ宜しくお願い致します。


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 ■ 速報:誰そ彼×Naturally Gushing presents『音泉温楽』開催決定!!
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誰そ彼へのご出演、そして2007年に伊東温泉そばの宝専寺で行なった「お寺と温
泉ライブ あじさいさい」、築地本願寺ライブ「他力本願でいこう!」など数々
のイベントで私達がお世話になっているサワサキヨシヒロさんですが、ここ数年
の温泉×音楽な活動の集大成とも言えるDVD作品『Naturally Gushing』シリーズ
を三作品リリースされます。

その発売を記念して、「千と千尋の神隠し」のモデルにもなった、長野は渋温泉
の旅館「金具屋」さんにて、"温泉音楽冬フェス"を開催します!
このイベントに共催という形で誰そ彼がバックアップさせて頂きます。
その名も『音泉温楽』!!開催は2009年11月14日~15日となります。
出演者等はまだ確定しておりませんが、サワサキさんがホストとなりますので、
きっと温泉で聴いたら素晴らしく魅力的なアーティスト達が集う事でしょう。

詳細はNaturally Gushingのサイトで発表予定。勿論、当メルマガや誰そ彼サイ
トのほうでも、随時フォローしていきます。

有形文化財にも指定されている金具屋さんにてライブを観て、温泉に浸かる。
きっとこの冬最高の贅沢になると思います。

どうぞお楽しみに~。

>> Naturally Gushing
 http://www.naturallygushing.com/

>> 渋温泉 金具屋
 http://www.kanaguya.com/


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 ■ ヒガン・えとせと・レビュー(2009年8月)
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誰そ彼スタッフ達による、なんでもレビューのコーナー。

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[BOOK] 森村泰昌・著 / 「美しい」ってなんだろう?

理論社のよりみちパン!セシリーズからの一冊です。
タイトルどおり、「美しい」を考えるための本ですが、「美しい」の世界の入り
口に立ったこと、そしてゲートを潜ったことを読み進めるうちに必ず実感できる
体感型教科書。
著者の美術作品自体に興味がある方はもとより、興味のない方も登校拒否美術教
師経験者の彼の言葉の説得力と包容力にふれてみて下さい。「美しい」世界 の
広さと深さが、住人である彼の言葉をかりて私たちに届きます。
「相手が美しくない、みにくいと思うから、相手が敵に見えてくるのとちがいま
すか。相手が「美」と感じられたら、その美しいものを破壊しようとは、だれも
思わないでしょう。むしろ愛したい、守りたい、慈しみたいと強く望むでしょう
。」
たくさんの、多種多様な「美」を感じる人間になりたくない?(杉生美紀)

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[BOOK] 路上観察学会・著 / 奥の細道 俳句でてくてく

たくさんの、多種多様な「美」を路上で見つけるのが得意な路上観察学会のメン
バー達が、芭蕉と同じ道をてくてく歩きながら風景を切り取り、五七五をつけて
いくという趣向の本です。藤森照信さん、赤瀬川原平さん、南伸坊さんら、いわ
ゆる"路上物件"探しのエキスパート達ですから、シャッターを切る対象はただの
風景ではすまされない。そこには人々の暮らしの都合や事情、自然の必然や偶然
などが必ず顔を出していて、クスッと笑ってしまったり、ホロッときてしまった
り。風景に堆積する感情のようなものが見事に五七五で代弁されています。
「月日は百代の過客にして行かふ年も又旅人也。」という芭蕉の言がこの現代に
おいてまことに身近に感ぜられる、奥の細ロードムービー。(遠藤卓也)

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 ■ 築地本願寺ライブ『他力本願でいこう!2009』レポート 文・遠藤卓也
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8月22日に築地本願寺の本堂及び境内で行なわれたイベント、『他力本願でいこ
う!2009』。前号では特集を組んでご紹介致しましたが、今回は当日のレポート
を掲載します。
当日は本堂ステージに張付いている役割だった為に、多少偏ったレポートにはな
りますが、シーンごとに分けて少しづつご報告致します。

[ 境内ステージ ]
ステージのテントを取り囲むようにフードコートや出展ブースや人々の往来があ
り、まるで本願寺境内村!ステージ前には、渋温泉から運ばれてきてかけ流され
ている足湯があって憩いの場となっています。昨年よりも境内エリアにまとまり
が出て賑やかな印象。
キウイとパパイヤ、マンゴーズの"どこかの"土着的音楽はまさにこの境内村の民
謡のように聴こえるし、境内村有望の歌手登場!といった感じで歌い上げるコー
ヒーカラーも素晴らしい。
足湯を前に美しい温泉チルアウトを奏でるサワサキヨシヒロ!さんは、さしずめ
村長といったところでしょうか。

[ 本堂ステージ ]

- バンバンバザール -
実は他力本願はリハーサル中も本堂が開放されています。お参りの方がいらっし
ゃるためなのですが、その時の聴衆は決してライブ目当てとは限らない方々なの
で反応が面白いんです。その中でバンバンバザールのリハ後は自然と拍手がまき
おこったので、これが一番手というのはバッチリじゃんという手応え。
期待通りの素晴らしい演奏で、最後に線を抜いて生音でやったのにはシビれまし
た。MCでもおっしゃってましたが、本願寺は中もそこはかとなく和洋折衷なデザ
インですので、ここにバンバンバザールの音が流れるとなんとなく昭和のビアホ
ールを想起させました。銀座も近い事ですし、「父さん帰りに一杯」な空気が充
満。

- 大友良英 -
大友良英さんは本願寺のパイプオルガンを演奏しました。もう建物の一部といっ
てもいいくらいに大きいパイプオルガンですから、"本願寺を鳴らす"と表現して
も過言ではありません。持続音に次々と音が重なっていきレイヤーとなり、静か
で美しい空間が作り出されます。
大友さんが試し弾きに来られた時、一音鳴らした瞬間に「これはすごくいい音」
と、むちゃ笑顔だったそうです。その感じが音に出ていた気がします。子供がは
しゃいだりする声が混じるのも本願寺ならでは。本当にスペシャルなライブでし
た。

- タイガーフェイクファ -
唯一無二のワールドを展開したタイガーフェイクファこと川本真琴さん。鍵盤の
弾き語りで数曲を演奏したあとは、琴と日本舞踊の女性二人が登場して七尾旅人
さんの曲のカヴァーをやりました。これは瞑想的な楽曲で、女性の声ならではの
たおやかな調べが美しい。その編成のまま「知床旅情」なんかも演奏されて、な
んだか温泉地のお祭りっぽい雰囲気に。境内ステージで演奏されてもすごく良さ
そうだなと思いました。

- ASA-CHANG & 巡礼 -
ラストを飾ったのはASA-CHANG & 巡礼。本願寺本堂でタブラが一音鳴った瞬間に
鳥肌がたちました。単純に気持ちいいの一言です。
各国の様々な鳴り物やパーカッション、そしてメンバーの一員であるという謎の
マシーン "巡礼トロニクス" や、数字までも操って何やら怪しげな魔術師のよう
なASA-CHANG & 巡礼ですが、よく聴いていると感じられてくるハンドクラフトな
手触りが非常に好ましい演奏です。謎の手品おじさんに一本とられた!という感
覚がとてもクセになります。

- 渋温泉の足湯 -
終演後から片付けまでの一瞬の隙をついて、足湯に浸かってみましたがとても気
持ちよかったです。夜風が涼しく、ぼんやり浮かび上がる本願寺の建築が美しい
。ほんの束の間だったにも関わらず、その後も足のポカポカが止まず温泉を実感
しました。


以上、少しづつではありますが『他力本願でいこう!2009』の雰囲気をご紹介さ
せて頂きました。それではまた来年!という事で今年も他力のプロデューサーを
務めた杉生さんにバトンタッチします。


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 ■ 午前3時の泥酔仏教放談 文・杉生値
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〓〓〓 第5回:色即ぜねれいしょん 〓〓〓

放談に入る前に一言御礼もうしあげます。
8月22日、築地本願寺で行なわれた「他力本願でいこう!」にお越しいただいた
皆さま、本当にありがとうございました!
おかげさまで盛況且つ無事にイベントを終えることができました。ライブはもち
ろん法話や法要も楽しんだというお声も聞かせてもらっています。主催者として
こんなに嬉しいことはありません。
本当にありがとうございます。もっといいイベントにしていきたいので、よかっ
たら感想やご意見をイベントのHPまでお寄せください。よろしくお願いします。

>>築地本願寺ライブ『他力本願でいこう!2009』
 http://hongwanji-shutoken.net/tariki/2009/08/2009.html


もとい、今、公開中の映画「色即ぜねれーしょん」を観ました。みうらじゅんさ
んの高校時代の自伝的小説を田口トモロヲさんの監督で映画化した作品です。
もてない高校生の3人組が「隠岐島はフリーセックスの島」というデマを信じて
旅に出る、という設定の青春映画ですが、タイトル以下、ストーリー全編に仏教
的なものの見方が貫かれているように感じられました。

例えば、主人公の高校生達に「さよならだけが人生でしょ」と嘯いていた島のユ
ースホステルの館長が、彼らのフェリーを見送るときに海に飛び込みながら「さ
よならだけじゃつまんねーぞ!」と叫ぶシーンがあります。
「さよならだけが人生」ということ。これはお釈迦さまが、人生は苦しみだと言
って、その苦しみの一つとして上げた「愛別離苦(あいべつりく)」即ち「出会
ったものとはいずれ必ず別れていかなければならない」ということに通じるでし
ょう。「ずっといっしょだよ」といっていたはずの二人がいつしかすれ違い別れ
ていく、というのはよくある話ですし、仮にすれ違いなく過ごしていても、誰し
も避けられない「死」ということを前にすれば二人の気持ちなんて全く無力です
。別れは必然。残酷なまでの事実をお釈迦さまは私たちに示されているのです。

それでも「さよならだけじゃつまんねーぞ!」と館長は叫びます。これを観て私
は「仏説阿弥陀経」というお経の中に出てくる「倶会一処(くえいっしょ)」と
いう言葉を思いました。仏の国、浄土では、この世で別れた人々みんなとまた会
うことができるということです。みなさんは「浄土」と突然言われてもぴんと来
ないかも知れませんが、私は大好きな祖母が亡くなって暫くして、この倶会一処
という言葉を思ったとき、「あ、またおばあちゃんに会える世界があるのか」と
素直にうれしく思えたことを覚えています。

もちろんこの館長が浄土のことを言ったとは思えません。でもまず、人は別れて
いかなければならないという現実をしっかりと見つめ、それでもその先に何かを
見つけようとする。以前、清志郎のことを書いた時にも言いましたが、そういう
現実と理想の関係性に仏教的な視点を感じるのです。

ところで実際映画では、この館長との別れのシーンの後、二学期のはじまりの全
校集会で校長先生が「倶会一処」の話をしています。映画では生徒たちは誰も聞
いていませんが、若き日のみうらさんはきっとこういう話を聞き流しつつも、何
かしら耳の底に留めていて、それがこういう仏教が下敷きになった作品に繋がっ
たのではないかな、と想像しました。

それにしても、男子の思春期の「とにかくヤリたい!」というプライマルなスク
リームをテーマとしながらも、仏教的なものを根底に感じさせるみうらさんのセ
ンスって本当にすごい!私たち僧侶はそういう性欲に根ざした高校生の相談に仏
教の立場で答えられるか。それだって立派な悩みで、そう言うことに答えていく
のも僧侶の努めのはず。映画を観てそんなことも考えさせられました。
映画、とにかく面白いので、まだの方は是非みて下さいねー。

>>『色即ぜねれいしょん』オフィシャルサイト
 http://shikisoku.jp/


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 ■ 南無南無なあに 文・杉生美紀
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出だしっから私事になりますが、歯医者に通いだして1年と4ヶ月が経とうとす
るも、いや虫歯だ親不知だ移植だと未だ工事は継続中でございます。
こんなことになるなら、よくよく歯磨をしておくのだったと悔やんでも悔やみき
れないのですが、やっぱりお釈迦様のいうことにゃかないません。
仏典において、ちゃんと歯磨の励行を説いているのです。

お釈迦様や弟子達が一生懸命修行に励んでいた当時は、
気軽にお風呂に入れるでもなし、服を洗濯できるでもなしで、ええまあ、おおら
かな時代であったわけですが、お釈迦様は、せめて修行する前には身なりを整え
ようよと言われました。顔や手は洗おうよ。スメルはお香で抑えようよ。お口は
磨こうよ。と。当時歯ブラシはまだありませんので、菩提樹の枝をしがんで楊枝
のように使って汚れを落としていたようです。
その後中国を経由して日本に仏教が渡ってきたと同時に、日本にも歯磨の習慣が
輸入されました。

現在の日本において仏教は、何となく、浅く、ではあっても人々に広く知られて
おり「和」のイメージを伴う人も少なくないはず。しかし仏教をがっちり輸入し
た聖徳太子の時代において仏教は完全に洋モノ扱いでした。輸入反対!!既存の
和の神様に申し訳がたたない!!と反対勢力もありましたが、洋モノには洋モノ
の優れたところがあります。と、聖徳太子は輸入に踏み切り、日本のNEW宗教と
して取り入れました。
と同時に現代においてもすっかり定着している洋モノ文化が多く伝来しました。
歯磨の他、身近なところではお茶を飲む習慣もなんかも。
今や「洋楽」や「洋式」がわたしやあなたにとって絶対に!欠かせないものとな
っているのと同じように、歯磨も定着していったのですね。
弟子であってもなくても。←作戦?


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 ■ ただ、歩くだけ ~徒歩連載~ 文・斎藤遥
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〓〓〓 (4) 六本木-代々木 木の間のヨーロッパ 〓〓〓

私の職場は六本木にあり通勤に使うのは大江戸線ですが、平日、会社から何駅分
か歩いてから電車に乗ることがあります。事務の仕事をする私にとっては少し歩
いてから帰ると体が温かく柔らかくなって気持ちが良いです。先日も会社を出て
少し歩いて代々木駅から電車に乗りました。

六本木駅から乃木坂方面へ通りを歩いて、少し横にずれて暗いほうへ歩いていく
と青山霊園があります。いつもその墓地を通り抜けるのが好きです。春は桜がき
れいですし、お花見シーズン以外は静かで私が通る夜の時間はたまにタクシーが
通るくらい、こうこうと明るい六本木から少し歩いただけなのに、風の通りは途
端に良くなるし暗くなって、東京タワーやヒルズがずいぶん遠くに光っているよ
うでホッとするのです。霊園を抜けて出たら青山通りを歩道橋で渡り、ラグビー
場、神宮球場の横を歩きます。高い塀に囲まれて球場の中の様子はわかりません
が、明るいライトに照らされた中から溢れるたくさんの人たちのザワザワした気
配を感じながら外を歩くのはなかなかよいです。そのまま進んで国立競技場のほ
うへ、私はこのあたりの雰囲気もとっても好きです。暗い時間にこのあたりを歩
くと少しヨーロッパ気分になるからです・・・笑。歩道は広いし木は高く、マラソ
ンしている人とすれ違ったり。競技場の横に絵画館という建物があり入館したこ
ともなくどんなものなのかわかってないのですが、大きく西洋の美術館のような
見た目と日本にしては暗めのオレンジの照明で正面の通りも広く、そこだけ何だ
かちょっと違和感で面白いのです。以前そこを通ったときには正体不明のきいき
いという鳴き声?が聞こえてきてますます不思議で気に入ってしまいました。

そのまま進んで千駄ヶ谷駅へ。千駄ヶ谷と千駄木を間違えて知り合いに呆れられ
たなあ・・・なんてくだらないことを思い出しつつ歩いて歩いて途中ミニストップ
にてソフトクリーム休憩。小さくて飲み屋さんなんかが並んだ小さな通りに入っ
ていって抜けるともう代々木駅に到着してしまいました。


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 ■ タソガレ往来紳士録 文・遠藤卓也
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 モノゴトの輪郭が曖昧となる黄昏時、夕闇に紛れて通りを行き来するあやしい
 モノ達に「誰ぞ彼?」と声をかけてみたとしたら...

〓〓〓 NO.005『 幽霊(ゆうれい) 』 〓〓〓

東京、谷中は全生庵をご存知だろうか?臨済宗のお寺さんですが、毎年夏になる
と圓朝まつりが催され、8月中は幽霊画が展示されます。圓朝まつりの圓朝とは
『牡丹燈籠』や『真景累ヶ淵』の作者として有名な落語家の三遊亭圓朝のこと。
全生庵の幽霊画はそんな圓朝さんの遺したコレクションです。
お化け好きは毎年そこへ涼みに行くわけで、僕も例に漏れずお盆の真っ最中に出
掛けてきました。
やはり怖がらせる事を目的にして描かれているであろう幽霊画ですから、何度見
ても背筋がゾクッとなる画があります。これらの画を並べて見ていると、やはり
幽霊は怨んだり祟ったりして出て来るものなのだなあと実感するのですが、それ
ばかりが幽霊ではないとも思うのです。

日本民俗学の研究者、今野圓輔先生が編纂した日本初の幽霊体験資料集『日本怪
談集 幽霊篇』(1969年)に於いて先生は、民俗学の研究に留まらせておくべきで
はない、幽冥道の可能性を示唆されています。常識の範囲では到底承認する事の
出来ない様な怪談噺や霊体験が、どうしてこの国の長い生活史を通じて語られ、
廃れる事が無いのか?例え全ての話が幻聴や錯覚だと説明がついたとしても、な
らばこうも造形化された対象をまざまざと見る事ができるのは何故か?
それは民俗学に留まらず、文芸創作の視点での分析や、類型や変遷の研究、更に
は心理学的な見地など多方面からのアプローチで、学術研究の対象と捉えられて
然るべき材料であると述べています。

先生の示唆している方向性の中から心理分野というフィルターを借りてみると、
確かに、幽霊体験談というのは体験者や語る人の心理次第で如何様にも変化する
ものだと思えます。
例えば、殺人などの悪行を犯してしまった人の前に幽霊らしきものが現れた場合
遭遇した人は恐怖に慄き許しを乞うでしょう。
それが例えば、たった今大切な肉親を亡くした人の前に現れたら「最後に会いに
きてくれたのだ。よかった。」と涙するでしょう。
つまり、幽霊の性質は観測者の判断に拠るものなのです。その観測をもとに怪談
噺が作られ膨らみ、広がり、落語や画、文芸や劇や映画などの創作作品に影響を
及ぼして今日に至っているのです。
圓朝さんの怪談落語のネタとしては先程挙げたような怨みものが有名ですが、そ
んな圓朝さんの幽霊画コレクションは自ずから、恐怖を感じさせるものが多いと
いう事かと覗えます。

現代にお化けを沢山描かれている水木しげる先生は、著書『幽霊画談』(1994年)
の中で次のように語っておられます。「太古の昔から戦前までは今よりはるかに
のんびりしていたから、静かに観察していればいくらでもお化けの気分というか
存在感というようなものを味わえたのである。」
この"のんびり"がキーワードで、不気味であってもユーモラス、親しみや楽しさ
があるお化けが「妖怪」である。「幽霊」というのはこの世に未練があって現れ
るというのが大半なので、人に怖がられてしまうのです。現代ではこの幽霊の怖
さばかりを強調して人々の好奇心を煽る風潮がありますが、幽霊は決して怖さだ
けでは無く、生前の人間としての習慣や風習の反映が強く個性的でオモチロイの
である、とおっしゃっています。
この含蓄は、流石は幽冥道に精通した御大!白眉と言えましょう。現に、『幽霊
画談』には、"こんにゃく幽霊"、"礼を言う幽霊"など、個性的でユーモラスな幽
霊達が紹介されています。

世間も、ただただ恐ろしさを強調するばかりでなく、夏にのんびり幽霊達と親し
もうという向きもあって良いのではないかと思うのです。

>> 山岡鉄舟ゆかりの寺「全生庵」
 http://www.theway.jp/zen/


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 ■ サウンドブック 文・福岡功訓 (FLY_SOUND)
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〓〓〓 第3回目:ケーブルについて 〓〓〓

最近、かなり一般の人にまでレイブという単語が認知されて来て
複雑な心境のPAの福岡です。

今回は、ケーブルの話。近年もの凄い勢いで電源ケーブルや信号ケーブルが注目
される様になって来たと思います。
ちょっと前までは、HI-FIオーディオ店などでしか見かけませんでしたが、今で
は電気店や楽器屋でも普通に見かける様になりました。値段も1m\100_位の物か
ら1m\10000_以上する物まで様々です。

で、各箇所ケーブルを変えて音が変わるのか?と言う所ですが、もうここからは
第1回の時から言ってますが個人的意見で 変わります。

じゃあどれくらい変わるの?って問題。

・電源ケーブル あまり変わったと思った経験無し。とは言えケーブル自体はコ
ネクターとケーブルから出来てるんですが、コネクターを変えた方が変わる気が
します。

・LINEケーブル(CDプレーヤーの後ろのやつとか)あまり変わらないと思う。
意外に安いケーブルの方が良いと思うときがある。(カナレとか)
でもオススメ Belden 88760 バシッとしてて音が早い感じがする。でも固い。

・スピーカーケーブル あまり変わったと思った経験無し。よっぽどひどい物
で無いかぎり、長さの方が重要だと思う。
でもおすすめ 47研究所 0.4mm 定位感が良くて音が早い感じがする。

・デジタルケーブル(S/PDFとか)あまり変わらないと思う。
過去、ブラインドテストで当てた試し無し。

・MICケーブル ここだけ唯一凄く変わると思う。信号が微弱だからかHI,LOW共
にケーブルによって凄く変わります。
オススメ PC-OCC製の物。音のレンジが広くて好きです。
     MOGAMI 2549 Lowがちょっと少なくて歌とかにはちょうど良い。

個人的意見としてあくまでケーブルなので、つなぐ機材を変える程の違いは出な
いと思います。ですが、今使っている機材の+αで音を変えるには凄く良いと思
います。逆にケーブルが凄く悪いとすると機材がどんなに良くても音が悪いとい
う事にもなります。後は、やっぱりバランスです。
最近良く見かけるのが、数百円の安い電源タップの先に数万円の電源ケーブルが
ついている場合やミキサーまでが高いケーブルでその後が凄い安いのとか
それなら全体的にそこそこのケーブルでしっかりまとめた方が良い様な気がしま
す。そのケーブルを使う事によってテンションがあがるなら話は別ですけど。

それでは、また次回。


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 ■ たそがれポスト
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当メルマガや誰そ彼イベントに関するご意見ご感想ご要望、企画案や小ネタまで
何でも結構ですのでお便りお待ちしております。

※メールフォームが故障中につき、下記メールアドレスまでお送り下さい。

master@taso.jp


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【編集後記】大変な長丁場となりました、誰彼通信5号。最後までお付き合い頂
き有難うございます。ついつい色々書き過ぎたり、飲み過ぎたり、食べ過ぎたり
してしまう人間が集まっているので、健康には注意していきたいと思ってます。
どのくらいの文字数かなと、どのくらいの「ど」の時点で計ってみたのですが、
全角12,072文字という結果でした。ロッキンオン誌の二万字インタビューにはま
だ遠く及ばず、二万字インタビューってすごいんだなと身をもって実感した次第
です。まだまだ文字数足りてないようなので、来月号はノエル・ギャラガーの二
万字インタビュー掲載予定!嘘です。(遠藤)
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