誰そ彼 Vol.14 レポート

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少し雨が続いた5月の終わり、誰そ彼 Vol.14を開催致しました。生憎の曇天でたそがれ時の空の移り変わりは楽しめないものの、霧にけぶる東京タワーがなんとも幻想的です。そして東京は梅雨を迎える前だというのに凄い湿気で、あまり外を歩いて気持ちの良い日ではなく、こんな日に人が集まってくるものかと少し心配になってきました。
しかし私達の心配を余所に多くの方々が足を運んでくださり、本堂の開場を前にお寺のテラスが賑わい出します。30食限定で提供されたお坊さんの作る料理 『精進寿司プレート』 もあっというまに底をついてしまいました。
今回は、スピーカーの田口製作所さんからお借りした"無指向性スピーカー"を4台配置して、ちょっと特殊な音響空間を作り出しています。通常のスピーカーも6台配置してあり、更にモニタースピーカーもあり、一体本堂に何本のスピーカーがあるのかという不思議な状況。PAを担当するFly_sound 福岡氏の試みが光ります。

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その環境を活かした(?)なんとも無指向で無軌道な誰そ彼スタッフによる選曲の後はAudio Sutra Sound + Kenji Ikegamiさんのライブです。今回はKenji Ikegamiさんの尺八に、dubsapさんのトラック、Saaraさんの鍵盤という編成となります。
低音の効いたダブサウンドがこの日のじめっとした空気によく響きます。そこにひんやりとした水のようにぴしゃりと撥ねる鍵盤の音、そして外の大気を運んでくるかのような凛とした尺八の音色、この3者の取り合わせが絶妙です。
終演後にKenji Ikegamiさんも語っておられましたが、湿度というのは尺八にとって良い効果を齎すらしく、この日のような環境ではより良く鳴るそうなのです。そういう意味では天気を味方にしたとも言える、Audio Sutra Sound + Kenji Ikegamiさんのライブはこの時間・この場所・この空気ならではのスペシャルなサウンドを奏でていました。

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続いては、築地本願寺職員の杉生慶値さんの法話です。杉生さんはお坊さんでありながら、誰そ彼のスタッフでもあります。更に、毎年築地本願寺で行なわれているライブイベント『他力本願でいこう!』の企画・運営の中心人物でもあるのです。
誰そ彼にいらっしゃるお客様と同じくらいの年代で、誰そ彼にいらっしゃるお客様と同じような音楽に親しんでいるお坊さんですから、その言葉や仏教への想いというのはこの会場においては特別響き易いのではないかと思います。
(杉生さんは誰そ彼のメルマガで『午前3時の泥酔仏教放談』という素敵な連載をしています。)

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言わばお坊さんのライブ演奏とも捉えられる法話の後は、いよいよスイスはジュネーブからのお客様、Andrea Valviniさんが登場します。映像で共演するのはRyota Kanasakiさんです。
当初、サイトでも告知していた通り、我々のAndreaさんに対する知識は多くありませんでした。はじめに「ジュネーブの自宅に畳を敷いて布団で寝ている親日家のスイス人がお寺でライブをしたがっている。」という情報があり、あとはAndreaさんがmyspaceなどに掲載している音源を聴いて知るのみでした。その音源から、ミニマルなエレクトリックミュージックを制作するアーティストなのだという先入観があったのですが、実際にAndreaさんが本堂で出した音はそのように一筋縄ではいきませんでした。
本人もMCでしきりに "Life" や "Story" という言葉を連呼していましたが、正に生命力に満ちた躍動感溢れるサウンド!情景豊かでストーリー性の高い楽曲となっており、踊らずにじーっと目を瞑って聴いているだけでもとても楽しめるライブでした。暗闇にぼーっと浮かび上がる阿弥陀如来を背に、大きな体を揺すってメッセージを唱えるAndreaさんは正しく"たそがれ時に現れた異人"といった風で、私は思わず「Who are you?」と問うてみたくなりました。

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最後は会場のみんなでお経を唱え、今宵の誰そ彼も暮れてゆきます。有難うございました。
(文・遠藤卓也)

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